インタビュー
レザー&バッグ業界のエキスパートが聞く、
エキゾチックレザー企業最前線
エキゾチックレザー企業最前線
皮革の貿易・革卸編
堀内貿易株式会社 代表取締役 竹原美鶴子× 宮城基郎
レザー業界、バッグ業界の第一線で活躍するエキスパートがエキゾチックレザーを手がける企業・事業者にインタビュー。レザーファン、ファッション好きのユーザー、そして、幅広いジャンルのビジネスパーソンの皆さまに、日本製エキゾチックレザーおよび、エキゾチックレザー製品の魅力をご紹介します。
第一弾は、「東京レザーフェア」出展時の堀内貿易株式会社 代表取締役 竹原美鶴子さんに長年バッグ業界でものづくりをサポートする宮城基郎さんがお話しを伺いました。
第一弾は、「東京レザーフェア」出展時の堀内貿易株式会社 代表取締役 竹原美鶴子さんに長年バッグ業界でものづくりをサポートする宮城基郎さんがお話しを伺いました。
Q 製品メーカーとタンナーをつなぐ貿易業者・革卸のお仕事の流れや内容を教えてください。
パプアニューギニア、アフリカ、東南アジアへ出向き、現地で検品した原皮を輸入し、日本国内の協力工場で鞣します。その後クラストの状態でハンドバッグ、革小物 靴などの製品の用途により選別して染色。国内外の優秀な協力鞣製工場との連携し、グレージング仕上げ、マット仕上げ、さまざまな二次加工を卓越した技術により、一枚一枚仕上げていきます。また、顧客の皆さまが必要なカラーを幅広く展開し、仕上がり在庫をコントロールするのも革卸の役目です。
Q 日本製エキゾチックレザーの定番カラーや人気の加工や仕上げは?
「日本らしさ」の傾向として「ジャパンブルー」と呼ばれる青系の色が定番といえるかもしれません。特に藍染加工が国内外問わずオファーが多くございます。仕上げは、伝統的な光沢のあるグレージング仕上げやナチュラルなマット仕上げが定番です。
近年は1枚ずつ手作業で染め上げる藍染に注目が集まっています。
近年は1枚ずつ手作業で染め上げる藍染に注目が集まっています。
Q 国内外で高く評価されるクロコダイルの藍染め、ジャパンブルーの魅力についてご教授ください。
原皮を輸入し国内で鞣製し、染色前のクラスト在庫を潤沢に所有しています。藍染めは専用の鞣し工程があり、また藍染の染料の状態の管理には非常に気を使います。原皮から仕上がりの状態になるまで全ての工程を国内で行います。コロナ禍以降、状況によっては移動や物流の制限があるので、多くのプロセスを国内で完結できるのは大きな利点です。
藍染は空気に触れ酸化することで青く発色するため、日本の四季があり気温や湿度が様々な環境でなかなか仕上がりが安定しません。そこで10年かけて均一に革を染めるように研究を重ね完成。「繊細な色合い」を「均一に仕上げる」という難題をクリアしました。
また、天然染料を用いている「ナチュラルさ」、やさしく深い色合いもさることながら、製品になった際、確かな存在感がありながらも、使う人のファッションやライフスタイルに馴染むことも魅力といえるのではないでしょうか。
藍染は空気に触れ酸化することで青く発色するため、日本の四季があり気温や湿度が様々な環境でなかなか仕上がりが安定しません。そこで10年かけて均一に革を染めるように研究を重ね完成。「繊細な色合い」を「均一に仕上げる」という難題をクリアしました。
また、天然染料を用いている「ナチュラルさ」、やさしく深い色合いもさることながら、製品になった際、確かな存在感がありながらも、使う人のファッションやライフスタイルに馴染むことも魅力といえるのではないでしょうか。
Q 爬虫類皮革業界をリードし、常に一歩先を提案する竹原社長のクリエイティブとそのプロデュースについてご教示ください。
米国・ニューヨーク、ブルックリン周辺エリアの建築物などにみられる、ヴィンテージのニュアンスを、インダストリアル加工としてオリジナルで開発。エキゾチックレザーの新しい表現としていち早く取り入れました。
自身、現在でも現場が好きで、頭の中のイメージやニュアンスをどうやって革に表現するか、常に加工方法を模索しています。手作業で仕上げる工程は自社で行うことが多いです。
自身、現在でも現場が好きで、頭の中のイメージやニュアンスをどうやって革に表現するか、常に加工方法を模索しています。手作業で仕上げる工程は自社で行うことが多いです。
Q 時代の変化に対応する日本製エキゾチックレザーの新しい魅力をご教示ください。
「SDGs」へのニーズが高まるなか、弊社ではIUCN(国際自然保護連合)傘下ワニ専門家グループ(Crocodile Specialist Group(CSG))やパプアニューギニア政府への寄付を通じて野生種の保護活動に貢献しています。
インタビューを終えて
堀内貿易株式会社は世界最大規模の見本市「LINEAPELLE」(イタリア・ミラノ)に出展され、グローバルなビジネス展開。竹原社長が現場主義で、竹原社長自ら手作業することもあると聞き、クリエイティブにかける情熱に胸を打たれました。
二次加工の中でもインダストリアル加工のコーナーが強く印象に残っています。時代の風をキャッチし、革づくりへ落とし込んだトレンド提案の早さが他を圧倒。感度と表現力の高さからも、日本国内のエキゾチックレザーがハイクオリティーで、世界レベルであることがわかります。
「ヴィンテージ感」が注目されたことで、各社が触発され、それぞれ独自のアプローチで技術開発に磨きをかけているようです。日本の伝統である「わびさび」にも通じる、絶妙な繊細さが国内の革づくりに息づき、新たな潮流、新たな「日本らしさ」への進化に期待しています。藍染の美しさも同様。きっと多くのユーザーの琴線に触れることでしょう。
二次加工の中でもインダストリアル加工のコーナーが強く印象に残っています。時代の風をキャッチし、革づくりへ落とし込んだトレンド提案の早さが他を圧倒。感度と表現力の高さからも、日本国内のエキゾチックレザーがハイクオリティーで、世界レベルであることがわかります。
「ヴィンテージ感」が注目されたことで、各社が触発され、それぞれ独自のアプローチで技術開発に磨きをかけているようです。日本の伝統である「わびさび」にも通じる、絶妙な繊細さが国内の革づくりに息づき、新たな潮流、新たな「日本らしさ」への進化に期待しています。藍染の美しさも同様。きっと多くのユーザーの琴線に触れることでしょう。
堀内貿易株式会社 竹原 美鶴子社長
〒111-0055 東京都台東区三筋1-6-13 HTビル
公式サイト:https://www.horimicals.com/
フェイスブック:https://www.facebook.com/no.1crocodile/
インスタグラム:https://www.instagram.com/no.1crocodile/
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インタビュー&ライティング
宮城 基郎
DCアパレル、大手バッグ製造卸会社に30年間勤務。営業、MD業務や新規ブランド立ち上げに関わった後、2015年1月より独立。「革業界、バッグ、革小物業界を元気に」を理念に、生産・企画・営業まで、トータルにアドバイスできる強みを有し、現在数社とコンサルティング契約。現在タンナーと協業でオリジナルブランドを立ち上げ、新たなメイドインジャパンの切り口でものづくりにもチャレンジ。また、自身でセレクトショップをオープン。各地の百貨店などからオファーが相次ぎ、ポップアップイベントも開催。